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香華殿ストーリー

故人との最期の時間を過ごしながら胸によみがえる、
あんな笑顔、こんな言葉、あの日のできごと……。
ここから、あらたなストーリーが紡がれていきます。

初めての告白。

びっくりしたわ。

あなたが、自分の葬儀のことをちゃんと決めていたなんて……。

ずっと苦労かけてきたから、
最期くらい、できる限りのことをしたい。

あなたがそう言っていたと、
葬祭プランナーの方が、教えてくれました。

確かに、いろいろあったわね。
ときどき、喧嘩もしたけれど、
いま振り返ると、あっという間。

もう、喧嘩もできなくなっちゃうのね。

職人気質で融通がきかなかったけれど、
最後は工場長として、後輩を育てたいと頑張っていたあなた。

今日も、たくさんの人たちが来てくれましたよ。
「お世話になりました」
あなたによく似た、生真面目そうな人たちが
精一杯の気持ちを伝えてくれています。

よかったわね。
本当にお疲れさまでした。

まぁ、さらに驚いたわ。
あなたの肉声でビデオメッセージ!?

あなたが選んだという家族の写真もいっぱい流れて……
私も子どもたちも、あなたに守られて、いつも笑っていたわね。

最後になりますが、と少しあらたまった、あなたの表情と声。
俊子、これまで本当にありがとう。
一度も言ってなかったが……
愛しています。

照れたような、あなたの顔がフェイドアウト。
湿っぽい葬式はイヤだと言っていたそうだけど、
無理よ、どうしようもなく涙があふれる。
こんなこと言ってくれたのは、初めてね。

ピアノの生演奏は、あなたが好きなビートルズ・メロディを頼んだの。
結婚する前、ギターをかかえて、
あなたが歌ってくれた「All My Loving」。

この話は、子どもたちにも聞かせていない。
二人だけの秘密にしておきましょう。

今度会ったら、また歌ってね。
そして、次はもっと早く聞かせてください。
愛してるって……。